【日本人が間違えやすい英語】発見!異文化コミュニケーション#010

【日本人が間違えやすい英語】発見!異文化コミュニケーション#010

こんにちは!

 

 

オーストラリアで生活している、

伝え方研究所の杉です。

 

この連載では、海外でみつけた

伝え方や文化のちがいをつづっています。

 

 

今回のテーマは、ずばり、

「日本人が間違えやすい英語」です!

 

 

英語の国で暮らす中で、和製英語や、

日本語→英語の直訳がまねく誤解など、

「日本人ならでは」の間違い表現が、

たくさんあることに気づきました。

 

 

海外で生活を送っている私だからこそお伝えできる、

実際にネイティブスピーカーを混乱させた

表現を中心に、ご紹介していきます!

 

 

 

1)「弁当を作ったよ!」は英語で?  

 

外食では補いきれない栄養価に気を配ったり、

食費を節約したり。

 

さまざまな場面で活躍する「お弁当」。

 

さて、英語のネイティブスピーカーに

 

「お弁当を作ったんだ!」

 

と言いたい時、あなたはなんと言いますか?

 

お弁当は「lunch box」だから、

 

「I made a lunch box!」

 

というのが正解……

 

と思っていたのですが、

じつはこれ、びっくりな誤解を招く恐れがあるのです。

 

 

「lunch box」というのは、

まさにお弁当を入れる「箱」のことを指していて、

 

「I make a lunch box.」

 

というと、毎朝、

弁当箱を作っていることになってしまいます。

 

 

英語には、お弁当の中身を指す別の単語があり、

それは

 

a packed lunch(パックしたランチ)

 

と言うのです。

 

 

ある日、私が

 

「むかし、日本でよくお弁当を作っていた」

 

という意味で、

 

「I used to make a lunch box in Japan.」

 

と話したら、

 

「へえ、そういう仕事をしていたの?」

「何で作るの?杉の木とか?伝統的な製法があるの?」

 

と矢継ぎ早の質問が飛んできて、私も

 

「なんで杉の木?」(タジタジ……)

 

と、しばらく混乱しました。

 

「お弁当=ランチボックス」とだけ覚えていると、

私のように、知らぬ間に「お弁当箱づくり職人」と

誤解されてしまいますので、

気をつけて!

 

ちなみに、もし

 

「お弁当を公園に持っていく」

 

と言いたい場合は、

 

「take a packed lunch to a park」

 

と言うと、意図が伝わりますよ!

 

 

 

2)「今着いたところ!」は英語で?

 

 

日本語を英語に直訳するクセがついていると、

思いもよらぬところで不自然な英語を放ってしまうことが、よくあります。

 

例えば、あいさつとしての「ご機嫌いかが?」は

 

「How are you?」

 

という表現フレーズとして覚えている人が多いと思いますが、これを

 

「『機嫌』って英語で何と言うんだろう??」

 

とイチから考えていると、時間もかかるし、なにより

 

「仕上がった英文がとっても不自然に聞こえてしまう……」

 

ということが起こりうるのです。

 

(→詳しくは「発見!異文化コミュニケーション」の

第8回に書きましたので、そちらも併せてご覧ください

https://www.ugokasu.co.jp/labo/articles/intercultural_communication_008/)

 

 

「直訳の落とし穴」は、こんな場面でも。

 

待ち合わせ場所に先に到着して、友達から「待った?」と聞かれて、

 

「今着いたところだよ!」

 

と返す場面です。

 

「今着いた」をそのまま直訳して

 

「I arrived now.」

 

というと、かなり不自然な響きに感じられるんだそうです。

 

なぜなら、「arrived(着いた)」という過去形と、

「今の今」という意味の「now」が矛盾して聞こえるからなんだとか。

 

あるネイティブスピーカー曰く、

 

「nowは本当に『今この瞬間』を指す言葉で、

過去の話になったとたん、たとえ10秒前でも使わないよ」

 

ということ。

 

では、「着いたばかりだよ」と言いたい時は、

なんと言えば良いのでしょうか。

 

正解は

 

「I’ve just arrived.」 
「I just got here.」

 

のように、「just」を使うこと。

 

「just」はとても便利で、他にも、

 

「I just ate lunch.」(いまランチを食べたばかりです)
「I have just met with Sugi.」(つい先ほど杉さんにお会いしました)

 

のように、色々と応用ができる言葉ですので、覚えていて損はありません。

3)「コンセントはどこですか?」

 

 

日本人にとって、

英語学習の難易度を高めている要因は、

「直訳のクセ」だけではありません。

 

やっかいなのは、「和製英語」です。

 

英語っぽく聞こえるから、

なんとなくそれらしく使ってみるものの、

全く伝わらないということが、

往々にしてあるからです。

 

 

仮に伝わったとしても、

まったく違う意味の言葉として

受け取られることもあります。

 

 

有名なところでは、外国で

「マンション(mansion)」というと

「プールや立派な庭付きの大豪邸・お屋敷」

を指してしまうという例。

 

「6畳一間のマンション」なんてものは、

存在しないのです。

 

 

日本語でイメージする「マンション」に相当するのは、

「apartment(アパートメント)」または

「condominium(コンドミニアム)」です。

 

 

そんな和製英語に関して、

海外暮らしで新しく発見したのが「コンセント」でした。

 

電気器具のコードを差し込むところをさす、あれです。

 

カフェで作業しようとして

 

「コンセントはどこ?」

 

と店員に聞いてみたものの、

全く伝わらず、あとで調べて

和製英語だったことが発覚しました。

 

英語では

「outlet(アウトレット)」

と言います。

(ちなみにイギリス英語ではsocket:ソケット)

 

 

ちなみに、なぜ日本で

「コンセント」と呼ぶようになったのか?

については、諸説あるようですが、

明治期に使われていた

「concentric plug(コンセントリック・プラグ)」

の略ではないか

という説が有力なようです。

 

 

「コンセントリック」は「同心円」という意味で、

当時のコンセントは丸い形をしていたことから、

そう呼ばれるようになったと推測されています。

 

 

4)「チャレンジする」には覚悟が必要

 

 

和製英語のほかにも、

日本語と英語で微妙にニュアンスが異なる言葉もあり、

これも英語ラーナーにとっては悩みのタネのひとつです。

 

「チャレンジ」という言葉も、そのひとつ。

 

日本語では

 

「気軽にチャレンジしてみよう!」

 

などと言ったりしますが、英語では、

 

「challenge(チャレンジ)」

 

には「試練」とか「死闘」のような、もっと

 

「覚悟をともなった挑戦」

 

というイメージがくっついていて、

ニュアンスが大きく違います。

 

日本語で「レッツチャレンジ!」

というときのテンションなら、

 

「try(トライ)」

 

がふさわしいようです。

 

例えば、こんなふうに言ったりすることができます。

 

「Can I try some?」 ( ちょっとやってみていい?)

 

ちなみに、challengeには、

覚悟をともなう挑戦というイメージから派生して、

 

「異議を唱える」

「たてつく、挑発する」

 

という意味もあります。

 

テニスに「チャレンジシステム」という

仕組みがあるのをご存知でしょうか?

 

これは、審判員がくだした

「イン」か「アウト」かの判断に納得できない時、

選手が異議を唱えてビデオ判定に

持ち込ませることができるルールのこと。

 

ここでの「チャレンジ」は、

まさに「正当性を疑う」という意味で使われています。

 

 

 

5)「私、お酒、弱いんですよね」は英語で?

 

 

日本人に英語を教えている

あるネイティブスピーカーに

 

「日本人が言いがちな間違い表現ってなに?」

 

と聞いてみたところ、

こんな答えが返ってきました。

 

飲みの場でお酒を勧められて

 

「私ちょっとお酒弱いので……」

 

というセリフです。

 

ありがちな間違いは、

 

「弱い」は「weak」で、

「お酒」は「alcohol」で……

 

と直訳を重ねて、そのまま

 

「I’m weak at alcohol.」

 

と言うケース。

 

彼を含む複数の

ネイティブスピーカーに聞いてみたところ、

 

「言おうとしていることは分かる」

 

らしいのですが、

 

「とても不自然な感じを受ける」ということ。

 

「weak」には「心身がもろい」という意味合いがあり、

あるネイティブは

 

「『I’m weak at alcohol.』
という表現そのものを聞いたことがないから、
『何をイメージするかあえて教えて』と言われると、
個人的に想像するほかないのだけれど、
お酒をちょっと含んだだけで
病気になってしてしまいそうな感じがする」

 

という印象を語っています。

 

「お酒、弱いんです」

 

と言いたいとき、英語としていちばん自然なのは、

 

I get drunk easily. (私は簡単に酔ってしまう)

 

という言い方です。

 

あるいは、「お酒をあまりたくさん飲むことができない」と言い換えて

 

I can’t drink much.

 

というのも自然だそうです。覚えておきましょう。

 

 

 

ちなみに

 

I am a lightweight.(お酒に弱い)

 

というおもしろい表現もあります。

 

「lightweight」は、

もともとはボクシングのライト級のこと。

 

若干、からかいのニュアンスが含まれたコトバで、

仲のよい友達の間でスラングとして使われます。

 

 

さいごに

 

 

さて、今回は、「日本人ならでは」な、

まちがい英語をご紹介しました。

 

 

話はちょっと変わりますが、

海外に住んでいて痛感するのは、

「日本に旅行に行きたい」と語る人が、

なんと多いことか!ということ。

 

 

今後、日本を旅行する外国人は、ますます増え、

国内で英語を話す機会も

増えていくのではないかと直感しています。

 

 

どこかで英語で話すとき、

「直訳」や「和製英語」の落とし穴に気をつけると、

さらに会話を楽しむことができるはずですよ!

一覧にもどる