【堀江貴文×佐々木圭一】世界で、売れるコンテンツをつくるには?

【堀江貴文×佐々木圭一】世界で、売れるコンテンツをつくるには?
世界で、売れるコンテンツをつくるには?

 

そんなテーマで、ベストセラー『伝え方が9割』著者の佐々木圭一氏と、実業家の“ホリエモン”こと堀江貴文氏が対談しました。

 

「日本の考え方を世界に持っていくことで、新鮮に受け止められる」という“ヒットの法則”があるようです。

 

 

佐々木  このたび『伝え方が9割』が、日本と中国の両方で100万部を突破しました。

 

堀江 すごい!

 

佐々木 ありがとうございます。ただ、これはこれで、とてもラッキーなことなんだけど、単に「ラッキー」で終わらせるのではなくて、なにか世界で売れるカギが見いだせないかと分析してみたんです。そしたら、4つのポイントが見つかったんですね。今日はこれをシェアしたいと思います。

 

 

佐々木 今回、世界で100万部売れた啓発本3タイトルを調べました。面白いことに、まず、全ての本に「日本古来からの思想」が入っているという共通点があったんです。

 

 

佐々木 具体的に見ていきますね。

こんまりさんの本は、「八百万の神」に通じる思想がある。すごく簡単に言うと、「すべてのものには魂が宿る」という考え方ですね。

これが欧米で、受けたんです。

初めにアメリカでブレイクした際、現地メディアの取材を受け、その記者がつけた「靴下にキスを」という見出しが、ものすごく新鮮に受け止められたそうです。

「古いモノは捨ててしまえば良い」と考えるアメリカ人にとっては「捨てるモノに愛情たっぷりに接する」という考えが、真新しかったんでしょう。

 

堀江 なるほど〜

 

佐々木 稲盛さんの『生き方』にも「真面目に一生懸命働くことが大切なんだよ」という日本人がもともと持っている考えが入っているし、『伝え方が9割』も、日本人が昔から大切にしてきた「相手を思いやること」を大切にして書いている。

 

堀江 へえ、「日本古来の思想が世界で売れる」というのは気になるね。

 

佐々木 日本人がすごく大切にしてきている、僕らからすれば、ある意味「当たり前」なことが、世界でブレイクする。そんな事例は、きっと他のタイトルでもありうると思います。

 

堀江 それはちょっと新しいね。

 

佐々木 続けていきますね。2つ目は、「繊細なスキル」です。

 

 

佐々木 こんまりさんの本で言うと、たとえば、シャツなんかは、普通は「上に」積み上げて片付けようとしますよね? でも、そうじゃなくて、立てて「横に」並べるんです。「なんだ、その斬新な考えは!」って思いますよね。

『伝え方が9割』でも、ある一文に「正反対の意味のコトバ」をあえて入れると、コトバの印象がとても強くなるという繊細なスキルを紹介しています。

 

堀江 なるほど。

 

 

佐々木 どんどん行きます。3つ目は「豊富な実例」。どの本にも、実例がたくさん入ってるんです。

 

 

佐々木 『片づけの魔法』には88個、『生き方』は80個くらい。『伝え方が9割』には102個の実例が入っています。一般的な本は20〜30個と言われていますから、ほかと結構、異なる点ですよね。

 

堀江 ふーん。

 

佐々木 そして最後は「再現性」。だれでもすぐに実行できて、劇的に変わるということです。

 

 

佐々木 こんまりさんの『片づけの魔法』もそうですし、『生き方』もそうです。『生き方』では「人生がうまくいく方程式がある」ということを言っていますし、『伝え方が9割』でも、「このレシピに従ってコトバを組みたてれば、誰でもうまく伝わる」ということが書かれています。

 

 

“ヒットの法則”で和包丁を売る!?

 

堀江 なるほどね。じゃあ今日はね、せっかくなので一緒に考えたいんですけども。日本古来からの思想とか、繊細なスキルとか、豊富な実例とか、再現性っていうのが、本以外のものについても使えそうな気がします。

たとえば、いきなりですけど、日本の工芸品で「明らかに海外のモノとは違う」というものに、和包丁があるんです。

包丁を研ぐ砥石には、番号が振ってありますね。番号が大きいほど細かいんだけど、西洋包丁がせいぜい500番台なのに対して、和包丁は仕上げになると、5000番台までいくんですよ。

 

佐々木 つまり、日本の方が断然、細かい。

 

堀江 ものすごく細かいし、めちゃくちゃよく切れるんですよ。だから、海外のシェフが日本に来ると、

みんな「和包丁を買って帰りたい」と言う。それなのに、海外では大して売れていない。「これ、どうやって売りますか?」ということを、“ヒットの法則”をつかって考えたい。

 

佐々木 そもそも、必要がないって思われているんですかね?「トマト切るのにそこまでいらない」とか。

 

堀江 というよりも、包丁って「そもそも、切れないもの」だと思われている。僕は海外によく行くんだけど、田舎のスーパーマーケットにいくと、大きなラム肉が置いてある。オーブンで焼くとめちゃくちゃ旨いんだけど、宿に置いてある包丁が、全く切れないんですよ。

 

佐々木 なんか分かる気がします(笑) 僕は、前にお寿司屋さんで、同じネタを異なる包丁で切ったら、切れる包丁で切ったネタのほうが美味しい、という経験をしたことがあります。同じ肉でも、切れやすい包丁で切った方が美味しい。

さきほどの“ヒットの法則”に当てはめると、和包丁はもともと日本古来のものだし、繊細な技術でできている。ただ、そういうような実例が足りないんだと思います。

 

堀江 海外のシェフが使っている事例はある。だけど、それがまとまった「事例」という形で収集されていないと。

 

佐々木 「和包丁ってこんなにすごい」と語る人が必要なんでしょうね。たとえばアメリカのインフルエンサーが来日した際、楽しみにしているであろう日本食のシーンで、いっしょに和包丁の話を聞かせると良いかもしれません。

 

 

佐々木 それから、“ヒットの法則”の4番目「再現性」を当てはめてみると、たとえば、「ご家庭で和包丁を使ってもらうと料理が劇的に変わる」ということを実感してもらうと良いと思います。

 

堀江 タマネギとかね。和包丁だと、ほんとにめちゃくちゃよく切れますよ。

 

佐々木 そうそう、和包丁が大活躍する料理が必要ですよね。「この包丁だからこそ!」っていうもの。家庭で、少なくともそういう料理が1つではなく5個くらいあると良いですね。

 

堀江 和包丁なら、お寿司が1番。切り身をサクで買ってきて、お家でやるときに使えるし。

 

佐々木 サクは、包丁が悪いとなかなか切れないですよね。

 

堀江 そうなんですよ。なんなら、お魚をまるごと買ってきて、三枚おろしから試してみてほしいですけどね。

 

佐々木 そのほかに和包丁が役立ちそうな料理はありますかね。

 

堀江 魚か、焼き肉かなぁ〜。

 

佐々木 おー、焼き肉、いいですね!焼き肉は、ふだんはすでに切れているものを買ってくるけど、ブロック肉を和包丁で切ると劇的に美味しくなる。それを実感している家庭はほぼないから、伸びしろがありそうですよね。

 

 

佐々木 魚、肉、と来て、次は青果ですかね……。たとえば、ブドウって切りづらそう。

 

堀江 あー、フルーツサンドなんか作るときはいいかも!

 

佐々木 たしかに!フルーツサンドって切りづらいですよね!これで3つ目まできたから、あと2つだ。

 

堀江 いやいや、もう分かんないわ。笑

 

佐々木 いや、小さなスーパーにも売ってて、劇的な効果が出る食材が見つかるといいんだけど……。それが5つくらいあれば、「私も買ってみようかな?」と思うはずなので。

 

堀江 あ!ケーキなんかは、和包丁のほうが切りやすいと思いますよ。

 

佐々木 ケーキ、良いじゃないですか!切ろうとすると、断面からグチャっと崩れてしまうイメージがありますね。イチゴが固いと、潰しちゃったりするし。

 

堀江 あとは、ピザかな。丸いピザを、専用の道具で切ろうとするじゃないですか。でも、思ったように切れなくてイライラすること、ありません?

 

佐々木 あります、あります!

 

堀江 お、これで、5個見つけましたよ!笑

 

佐々木 よかった!こうやって実例をそろえるのもポイントですね。これからが楽しみです!

 

※今回の対談は、堀江貴文さん(ホリエモン)によるオンラインサロンHIU(堀江貴文イノベーション大学校)の定例会で行われました。

▽オンラインサロンHIU(堀江貴文イノベーション大学校)
詳細はこちら http://salon.horiemon.com/

 

 

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