人見知りさん必見!星野源さんに学ぶコミュニケーション 教室の「ぼっち」がスターになるまで

人見知りさん必見!星野源さんに学ぶコミュニケーション 教室の「ぼっち」がスターになるまで

学校に気持ちを共有できる友人がほとんどおらず、人気者の輪に入ろうとしても、気づいたら独りぼっち。

帰り道も、3人組の後ろに独りでついていくタイプ。

 

いろいろな人間関係に疲れ、パニック障害や不安神経症を患い、3ヵ月ほど登校できなくなったことも……。

 

 

誰のことかというと、じつは、あの星野源さんなのです。

 

「逃げるは恥だが役に立つ」の名演に、恋ダンス。

 

朝の連続テレビ小説の主題歌や、コロナ禍の「うちで踊ろう」など、ヒット作を連発する国民的スターです。

 

ですが、実は、もともと筋金入りの「コミュニケーション下手」(星野さん)。

 

その時の気持ちを、こんなコトバでふり返っていました。

 

僕と他者との間には常に深い川が流れていて、向こう岸に渡れなかった。

星野源×マフィア梶田――孤独なオタクが「創造」に至るまでをひもとく,非常識な対談 (4gamer.net)

 

おとなになってからも、いつも「人見知りで……」と自己紹介していたそう。

 

そんな星野さん、どうやって「深い川」を越えたのでしょう?

 

今回は「コミュニケーション」をテーマに、星野さんの名言をご紹介します。

 

 

エンタメ界のスターと、会社員の共通点

 

エンタメ界の第一線で輝いている人というと、「好き」を仕事にし、愛され、センスや才能のかたまりで、自分とは住む世界も何もかも違うと感じませんか?

 

しかし星野さんによれば、ごくありふれた“サラリーマンの顔”も持っているのだとか。

 

サラリーマンのように与えられた仕事をきちんとこなさなければいけないし、ときには待っているだけではなく、自分で仕事を掴んでいかなくてはならないし、自分のちょっとした失敗が所属している会社にダイレクトに影響を及ぼすという、とてもハイリスクで責任の重い、いわゆる会社員と変わらない性質を持っている。

『そして生活はつづく』(星野源著、文藝春秋発行、2013年)より

 

自分の本心を秘めたまま妥協したり、反対に暴力的なわがままで押し通したり、そんなことを繰り返してしまうと、どうしても孤独になっていく。

 

そこで一番大事になってくるのは、やっぱりコミュニケーションだ。滞っていた他人とのコミュニケーションを少し取るだけで、問題が解決したり、糸口が見えたりする。

『働く男』(星野源著、文藝春秋発行、2015年)より

 

スターの仕事観は、サラリーマンとの共通点が、意外にも多いようです。

 

星野さんのコトバは、どの業界でも、どんな立場でも、相手を想いながらコミュニケーションを取ることの大切さを教えてくれます。

 

仕事のコミュニケーションについては、こんな名言も生まれています。

 

 

「対談」で話すとなると、「いいことを言わなきゃ」という意識が働き、物事の本質からずれてしまうような感覚がある。

 

それに対して、ボソボソした雑談の中に、本心や重要な疑問が眠っているのではないか、というのです。

 

星野さんがこのコトバを残したのは、コロナ禍になる前の、雑誌のインタビューでした。

 

ですが、この感覚は、コロナ禍になって的中したように思います。

 

定時に終わるリモート会議が増え、雑談は減りました。

 

相手の人柄にふれたり、アイデアの芽が出たり、ブレイクスルーしたりするチャンスが乏しくなったと感じます。

 

そこで、あえて雑談の機会を持ってみる。

 

今よりもう少しだけ、自分から意識的にコミュニケーションを取ってみる。

 

そうすることで、毎日は、よりイキイキするかもしれません。

 

 

「コミュニケーションがニガテ」だった幼少期

 

「コミュニケーションが大切」と語る星野さん。

 

ですが、もともとは極度の人見知りでした。

 

小学生のころは、周りに嫌われないよう縮こまり、「そもそも(自分は)人間が好きじゃないんだ」と自己暗示をかけようとさえしていたそうです。

 

ささやかな変化の兆しが訪れたのは、中学1年。

 

星野さんが、自宅にあった親の古いギターで音楽を作りはじめたころです。

 

「星野源 ファーストアルバム」を録音したカセットテープを、勇気をふりしぼって人に聴いてもらったところ、「めちゃくちゃイイじゃん!」という反応が。

 

その時のことを、こんなふうに振り返っています。

 

その瞬間、自分と他人の間にある深くて渡れなかった川に橋がかかったような気がしました。

それまで僕がどんなにがんばっても他者の領域には入れなかったのに、自分の領域を開放すると相手から入ってきてくれた。

そのときから、僕にとってのモノづくりは他者とコミュニケーションをとる手段にもなりました。

 

自分をさらし出すことで、相手のほうから、近づいてきてくれた。

 

心地よいコミュニケーションを取るための、大切な姿勢を言い当てたコトバだと思います。

 

 

「人見知り」は封印

 

幼少期から人付き合いに頭を悩ませていた星野さん。

 

そんな星野さんの「人見知り」についての分析が、とても印象的でしたので、ご紹介させてください。

 

それまで、相手に好かれたい、嫌われたくないという思いが強すぎて、コミュニケーションを取ることを放棄していた。

コミュニケーションに失敗し、そこで人間関係を学び、成長する努力を怠っていた。

それを相手に「人見知りで」とさも被害者のように言うのは、「自分はコミュニケーションを取る努力をしない人間なので、そちらで気を使ってください」と恐ろしく恥ずかしい宣言をしていることと同じだと思った。

数年前から、人見知りだと思うことをやめた。心の扉は、常に鍵を開けておくようにした。好きな人には好きだと伝えるようにした。

ウザがられても、嫌われても、その人のことがすきなら、そう思うことをやめないようにした。

『いのちの車窓から』(星野源著、KADOKAWA発行、2017年)より

 

「人見知り」は、生まれ持った性格だと思われがちです。

 

そして、日本人の6割は自分のことを「人見知り」と思っているというデータもあります。

(30代男性68.1%が「自分は人見知り」と回答!人見知り大国ニッポン (2015年6月13日) – エキサイトニュース )

 

ですが、星野さんのこのコトバを聞くと、人見知りは、心の持ちようで乗りこえることができるかもしれないと、希望がわく人も少なくないでしょう。

 

嫌われ、失敗することを必要以上に怖がらず、どんどん糧にしていくこと。

 

思い切って「人見知りなので……」の逃げ道をふうじると、新しい景色が広がるかもしれません。

 

 

食わず嫌いをやめてみる

人見知りをやめてみた先に広がった光景について、こんなコトバを紹介します。

 

変換することに面白さがあると思う。
『働く男』(星野源著、文藝春秋発行、2015年)より

 

 

 人との関係も、嫌だという感情をそのまま表すんじゃなくて、あまり好きじゃなかった人だけど、よくよく話を聞いてみたら、めっちゃ好きになった、みたいなことがすごくよくあるんですよね。

 

どうもニガテに感じる人、いますよね。

 

できるだけ関わり合いをもたないようにしようと思ってしまいがちです。

 

でも、あえて、そこでこちら側からグッと一歩寄ってみる。

 

そうすることで、予想もしなかった、ポジティブな関係性に「変換」されることがあるという人生訓です。

 

「変換」を面白がる。

 

「人見知り」を封印した先に見えてきた、ゆとりを感じさせるコトバです。

 

 

まとめ ~そして今、コミュニケーション上手に~

 

2012年、星野さんは、くも膜下出血で倒れました。

 

翌年2回目の手術の際には、主治医に「助かるかわかりません」と言われ、まさに生死の境を味わい、絶望も経験しています。

 

だからこそ、重みのあるコトバも生まれています。

 

俺の周り、たくさんのひとがいるなぁ。
「ひとりではない」と感じることがある。
そう感じられることが嬉しい。

『いのちの車窓から』(星野源著、KADOKAWA発行、2017年)より

俺、人間が好きだったんだなと最近改めて思います

『働く男』(星野源著、文藝春秋発行、2015年)より

 

幼いころから人付き合いの悪戦苦闘を経た星野さんの生き方は、相手を想うというコミュニケーションのヒントを教えてくれます。

 

何度も見返したい、そんな名言のご紹介でした!

 

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